上から目線な人たち
世の中には【人間関係に何が何でも優劣を付けたい、そして当然自分は上位側の存在だ】と思い込んでる人がいます。
「上から目線病」です。
本来人と良好なコミュニケーションをとるには、お互いに敬意を持ち、お互いを尊重し合うことが大切ですね。
そこには年齢も性別も立場の違いも関係ないはず。
しかし「上から目線病」の人に絡まれたことのある方はご存知かと思いますが、この病気の大きな特徴は
「自分のことは棚上げして他人をあげつらう」ことです。
魅力的で誰からも尊敬されるような人は、そもそも他人に優劣をつけないし上から評価なんてしませんよね。
では、「何の魅力も能力も人望も無いのに自分の事は棚上げする」人は、
一体どのような心理で「他人を支配したがる」人格を形成するに至ったのでしょうか。
今回も経験談を踏まえ、【他人を上から目線で支配したい人の心理と特徴】について5パターンに分けてご紹介します。
※いくらでも自分を虚飾できるSNSの世界ではなく、現実世界での話を基本とします。
↓「上から目線病」の特徴の一つである「モラハラ」についてはコチラ↓
上から目線の人の特徴5選~病気?その心理とは?
コンプレックスでいっぱい病
<主な症状>
それ、本当はあなた自身が気にしてることですよね?
内心コンプレックスの塊で、気になって気になって仕方がないのにそれを認めたくない。
そんな自分自身の劣等感の捌け口として、他人を攻撃する人です。
割と多く見られるタイプではないでしょうか。
自分のコンプレックスを認めたくないために自分より格下の存在を無理やり作り出す。
そしてあらゆる手段で格下の相手を攻撃することで、どうにか自尊心を保とうとします。
攻撃してくるネタ=その人のコンプレックスと思っていいでしょう。
ネタは仕事・収入・容姿・年齢・成績・学歴・職歴・生活環境・交友関係…何でもアリです。
自分の収入を気にしている人は相手の仕事や年収で他人をジャッジし、
交友関係にコンプレックスがある人は友人が多いかどうかで相手を判断し、
生活環境に不満がある人は相手の住居や結婚歴の有無で上下関係を作ろうとします。
もちろん複数の劣等感を抱えたコンプレックスの塊のような人もいます。
かつて筆者の身近に「この人は年齢を重ねることが怖くて仕方ないのだろう」という人がいました。
生物なのだから歳をとるのは当然。
それに伴い容姿や生活環境の変化、仕事や収入に変化があるのも当然です。
ただし歳をとるのは平等でも、取り巻く環境や変化の度合いには個人差があります。ペースは人それぞれですよね。
自分の思い通りに人生設計が進まないこともあるでしょう。
筆者の元知人はそのような局面において、
「より良い人生のために“自分が”努力したり“自分が”大人として所作に気を使う」のではなく、
「自分のことは棚に上げてひたすら他人を攻撃する」方向に向いてしまいました。
攻撃対象は表面上わかりやすい容姿の変化や仕事の環境についてなどです。
自分は努力せず、他人の揚げ足取りばかりするのは、ある意味一番楽なストレス解消法と言えるかもしれません。
しかし人を攻撃して得られる満足感やストレス解消なんて、ほんの一瞬で終わります。
「人生がうまくいってないのは自分に原因がある」ことに気づかない限り、劣等感は根本的に解決されることはなく、永久に繰り返されるのです。
この先も一生劣等感に苛まれながら、上から目線で他人にいちゃもんをつけて生きていくことになるでしょう。
ひとことモノ申したい病
<主な症状>
よくわかんないけどとりあえず何か一言いってやんなきゃ!!
「批判的なことを言うのがデキる人間だ」と思い込んでいる人です。
自分は「デキる人間」側の立場で鋭く切れ味のある批評をしたい。
だが実際には物事を多角的に判断し論じられるほどのバックボーンも無ければ知識も語彙力も無い。
そこで
「よくわかんないけど」➔「とりあえず」➔「何か一言いってやんなきゃ!」
の世界一不要な三段活用が発動します。
そして誰からも求められていない余計な物申しをして周囲を困惑させイラつかせるのです。
要らん要らん。
ネット上のク〇リプにもよく見られる現象ですが、本人は鋭い指摘・立派な意見を述べているつもりなのが特徴です。
本人の使命感とは裏腹に、それ以外の全て(認識力、読解力、前提条件の共有など)が追いついていない状態ですね。
根本には「認められるためになんとかして批判をしてやろう」程度の意識しかありませんから、投げてくるのは意見ではなく無価値なゴミです。
なんでもかんでも首を突っ込んでゴミを投げてくるようになったらかなり重症ですが、
日常で仕事をしていても
・一切必要の無い発言をして会議をムダに長引かせる同僚
・提出物に対し不要なダメ出しをしてくる上司
・重箱の隅をつつくようなどうでもいい注文を追加してくるクライアント
に遭遇したことはありませんか?
みんな「とりあえず一言モノ申したい病」の人です。実に非効率ですね。
「分かってないならムリすんなよ、さようなら」と肩を叩いて全員お帰り願いたいものです。
自称・アドバイザー病
<主な症状>
自分が批評する側の人間だと思い込んでいる
上から目線病の中ではスタンダード(?)な存在かもしれません。
「自分が審査をする、あるいはアドバイスをする側だ」となぜか思い込んでいる人達です。
こういう人は自意識が肥大していますから相手との関係性において常に「自分が上」であることがディフォルトです。
普通に会話をしていても、いつの間にか一方的なお説教やアドバイスを始めてしまいます。
少し前にメディアで「教えたがりおじさん」という存在が取り沙汰されていましたね。
そこでフューチャーされたのは中高年の男性が若い女性に
「教えてあげるよ」と「上から目線」で
講釈を垂れ流し、一方的に交流を押し付ける図式です。
交流を押し付けるのはともかく「上から目線」の病には老若男女は関係ありません。
中高年男性と若い女性のペアに限らずどのような組み合わせでも発生します。
そしてその発言内容が陳腐であることもディフォルトです。
「貴方が今思いついたことはみんなとっくに分かってる、だから敢えて誰も触れてないだけ」
というレベルの7周半ぐらい遅れた発言を、いかにも鋭い指摘をしてやったようにドヤ顔で毎回振りかざしてくる人がいたらどうでしょうか。
老若男女なんて関係なくウンザリしてしまいますね。
部活のセンパイ病
<主な症状>
怠けるなんて許さない、このアタシ(オレ)が厳しく鍛えなおしてやる!
正式名称「理不尽なルールを押し付ける部活のセンパイ気分をいつまでも引きずってる病」です。
この人が実際に部活をしていたかは関係ありません。
むしろ学生時代にはあまり活躍していなかったタイプなのではないでしょうか。
自分より気楽そうな(あるいはそう見える)人に対し「アイツは怠けているに違いない、けしからん」と一方的に思い込んでしまう。
そして「甘えたヤツはこのアタシ(オレ)が教育し直してやる」
と間違った自意識を振りかざし、俄然張り切ります。
誤った体育会系ルールを引きずっているので、他人に対して無意味に厳しいのが特徴です。
「他人を教育し直してやろう」
「けしからん奴をこの自分が躾けてやろう」
などという不遜な考えを一瞬でも持てるような人間の行く末がどうなるか、お分かりですよね。
典型的なモラハラ予備軍です。(すでに両足突っ込んでるかもしれません)
そしてこんな人の中身がどれほどご立派なのかと言えば、推して知るべしです。
自分にはストイックさのかけらもなく、闇雲に他人に厳しいだけなんてただの嫌われ者ですね。
モラハラの危険信号を持つ人間には近寄りたくないですよね。可能ならば離れるのが一番です。
すぐに離れることが難しいならなるべく早く対策(証拠を残す、周囲を味方にするなど)を打っておきましょう。
お節介ヒロイン病
<主な症状>
まったくもう、このアタシがついててやんなきゃ何にもできないんだから・・!
昔の少年漫画の女性キャラのテンプレになぞらえ「ヒロイン病」と表現しましたが、男性でも女性でも性別は関係ありません。
簡単に言えば口やかましい世話焼きタイプです。
世話焼きというと大きな害は無さそうですが、「相手との関係性の認識」にずれがあると途端に問題になります。
漫画の主人公とヒロインのような強い信頼関係など一切無く、
【世話を焼きたい人間の意識】と【それを受ける側の意識】に乖離がある場合。
自分はこの人から頼られている、お世話してあげなきゃ!
なんか別に仲良くない奴がうるさくてウザいんだけどお前誰?
現実はこれほどの相違があったとしても、度を越したお節介病の人はめげません。自分には使命があると思っていますから。
「ダメな他人をテキパキとお世話してあげるしっかり者の自分」を作り出したいがために、
目を付けた「ダメそうな」相手に対して度を越した過干渉を発揮します。
他人の言動を監視し、時には他人の行動を先読みし勝手に捏造してまで口やかましく注意しようとします。
筆者もこのタイプの過干渉を元知人から受けたことがあります。
大げさに言うと、例えば私が信号機の前にただ立っていただけでも
「今赤信号渡ろうとしたんでしょ!全くホントに”ダメ”なんだから…!」
と、ため息をつきながら現れて世話焼きお節介を発揮してくるレベルです。
毎回勝手に勘違いして先走り、事あるごとに私を”世間知らずなダメ人間”扱いする様は今思い返せばちょっとしたホラーです。捻り潰してやりたくなりますね。
相手が「人格と意思を持った大の大人であり赤の他人である」ということを理解していないのです。
他人に干渉することで自分の尊厳を保ちたい。これは完全に依存症の一種でしょう。
一番”ダメ“で一番”自立できていない“のは世話焼き病のその人自身です。
さらに深刻な進行をすることも
上の「お節介ヒロイン病」が進行するとさらに深刻なケースになります。
「ヒロイック・シンドローム(英雄症候群)」という言葉をご存知でしょうか。
平凡な一般人に過ぎないのに、英雄のように注目され称賛されたいという欲求だけがやたらと強い人のことです。
本当に人々を救いたいわけではなく、願望はあくまでヒーローやヒロインになった自分が称賛されること。
自分を英雄化したい欲が強すぎるあまり、虚偽の状況を自分から作り出します。
そこで行き当たりばったりな行動をして事態を悪化させたり、虚言を吐いて周囲を混乱させたり。
さらにエスカレートすると「困難な状況に颯爽と現れ立ち向かう自分」を作り出すために「わざと放火をして自分で消火する」「動物を自分で捨てておいて、保護したかのように振舞う」といった犯罪行為を引き起こすこともあります。
もちろん場の状況が悪くなればサッサと逃げてしまいます。
「目立ちたい」「注目されたい」「称賛されたい」承認欲求が招く最も最悪な道の一つと言えるでしょう。
何故「上から目線」になってしまうのか
中身が空っぽだから
程度の違いはあれど、共通点は
◆独りよがりの使命感に燃えている
◆その割に中身が空っぽ
ということです。
周囲から頼られ、尊敬され、称賛される存在になりたい。
しかし理想の自分と現実の自分との間にギャップがある。
(ギャップがあることに気づいてない幸せな人もいます)
でも努力はしたくない。
(「努力」という意識が根本から抜け落ちている人もいます)
そのすべてのアンバランスさを、他人への干渉という行為で手っ取り早く埋めようとしてしまいます。
「中身が空っぽで何も誇れるものが無い」
そんな自分よりさらに「下の存在」を無理やり作り出し、
「自分は底辺ではない、もっと下の人間がいる」
と言い聞かせて安心したいのです。
「格下の人間」を支配したり世話したりすることで、虚栄心や尊厳は一時的に満たされた気になります。
しかし無理やり設定した「自分より格下の人間」なんて所詮虚構の存在です。
その人の前からすぐに居なくなるでしょう。
ターゲットが消えれば新たなターゲットを探すことになります。その繰り返しです。
他責思考である
自分のことを棚に上げて他人に構ってばかりいる人は「ものすごく暇」そうに見えますね。
しかし暇なわけではありません。
本当はその時間でもっと出来ることがあるはずです。
上から目線病の人は結局のところ「自分が無い」ので、自分に正しく向き合うことが出来ません。
他人に絡む以外の方法が分からないのです。
だから本当にやらねばならないことがあるのに、他人を攻撃したり他人に構うことにわざわざ時間を割いているだけです。
他人に絡んで、上から目線で支配して、ようやく自我を認識できるのです。
そんな人間が成長するはずもありませんね。
そのうち自分が成長できないことも人のせいにし始めるでしょう。
自分を客観視できない
自己評価を高く持つこと自体は全く悪いことではありません。時には良い効果をもたらします。
例えば試験前や大事な仕事の前、試合前などに自分を鼓舞するために「自分はできる!自分は強い!」と発破をかけること、誰にでもありますよね。これは良い使い方です。
しかし自己評価が必要以上に高すぎるのは困りものです。
自分の能力が低いことすら分かっていない人間が、他人に対して適切な評価などできるはずがありませんね。
客観的に物事をとらえる視点が抜け落ちているのです。
簡単に言えば「自分に甘く他人に厳しい」になってしまいます。
「自分に甘く他人に厳しい」人間が一人コミュニティにいるだけで友人関係の歯車は狂い簡単に壊れますし、組織は軋轢が生じ弱体化に向かっていくでしょう。
「上から目線」の対処法
相手にする必要は無い
上から目線で物申してくる人。シンプルに腹立たしいですよね。
例え目上の存在でも「そこまで言われる筋合いは無い」と感じることは山ほどあるでしょう。対等な友人や年下の後輩なら尚更です。
もし「この人なんだか上から目線だな・・」という人物に遭遇したら、
①相手の話が本当に今の貴方にとって聞くに値することか
②相手の言い方に問題は無いか
③人として払うべき当たり前の敬意を互いに持てる相手か
これらを総合的に吟味してみてください。
検討したうえで明らかにおかしい、と感じたら。
タイトル通り「上から目線」という「病」なのです。
言われた側が気に病むことは何もありません。
同調したり、聞き流してあげる優しさも必要ありません。
最初から聞かなきゃいいのです。
「なんとかする」のはおススメしません
上から目線病の人に対し「なんとかしてあげよう」と対策を講じるのは基本的におススメしません。
貴方の人生を投げ売ってでもその人の心を入れ替えさせたいなら別ですが、普通はそこまでしてあげる義理は無いでしょう。
なんとかするためにはまずその人の「歪んだものの見方」を矯正するところから始めなければなりません。
我の強さやプライドの高さ、視野の狭さ、全てを指摘しなければいけませんね。
加えて上から目線病の人が苦手とする「自らが努力すること」も促す必要があります。
とてつもない長期戦になってしまいます。
そのうち「ミイラ取りがミイラになる」ように、関わっている貴方自身が「他者を支配しようとする人間」になってしまうかもしれません。
貴方には貴方の大切な時間があるのですから、そういうことはプロに任せ、なるべく相手のテリトリーに入り込まないよう距離を取るほうが良いでしょう。
自分磨きをしよう
根本的に手っ取り早いのは「上から目線病」の人間に絡まれないようにすることです。
ターゲットにされないためには、自己研鑽を積むのが一番です。
自分に自信を持つこと
彼ら・彼女らは「自分軸をしっかり持ち自分の言葉で自分の意見を的確に語れる人」には絡んできません。
自分に自信があって的を射た意見をはっきり言ってくる優秀な相手には格下設定をしにくいからです。
「優秀で生意気だ」と絡まれる可能性もゼロとは言いませんが例外でしょう。
知識と洞察力を備えること
自分に自信を持つためには、相手の価値を瞬時に判断できる知識と洞察力を持つことも重要です。
知識と経験があれば自然と洞察力も備わってきます。
洞察力があれば、相手の言っていることがおかしいか・相手がどんな人間か・話を聞くに値するかを直感的に判断することができます。
「コイツなんかおかしい」という直感は重要です。即座に距離を置けますから。
それは貴方にとって強力な武器になるでしょう。
スルーできる勇気を持つこと
優しい人はつい相手の話に耳を傾けてしまいます。
しかし「この人はなんでも話を聞いてくれる」と思われてしまうと、すかさず擦り寄られることがあります。
時には勇気を出して壁をつくることも大切です。
「貴方のためを思って言ってるんだから」という言葉なんかに耳を貸す必要はありません。
「貴方のために」などという恩着せがましい言葉を吐いてくる人間は、結局己のエゴのために他人を思い通りに動かそうとしているだけです。
貴方のためではなく「自分のため」に言っているだけなのです。
そして保身のためなら平気で裏切ってきます。
貴方も、貴方自身のことを一番に考える自分でいてください。
自信・知識・勇気。
貴方が自分軸をしっかりと確立し生きるための武器を装着できれば、人間関係のストレスはいつの間にか解消されます。
「上から目線病」の人なんて歯牙にもかけず、さらなる高みから俯瞰できる存在でありましょう。
それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。
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