人間関係には様々な形が存在します。対等なはずの友人同士でも同様です。
さて、「取り巻き」という言葉を聞いて何を思い浮かべますか?
取り巻き・・・人にまつわりついて、機嫌をとること。権勢のある人にこびへつらうこと。また、その人。
精選版 日本国語大辞典より
「偉そうなボスとその周りにいる取り巻き達」という関係性は現実でも、フィクションの世界でも目にしますね。
アメリカのハイスクールドラマなどで、ふんぞり返って先頭を闊歩する女王様や王様にピッタリとくっついて廊下を練り歩くお付きの人たち。
ちょっと滑稽なあの姿を想像する方もいるのではないでしょうか。
実際はそんなに分かりやすい見た目ではありませんが、
「特定の他者の後ろに黙って付き従い」
「特定の他者にだけやたらおべんちゃらを使い」
「特定の他者の言うことは何でも聞いてしまう」
そういう人は確実に存在します(筆者の観測範囲にもいました)。
今回はそんな「取り巻き気質」の強い人たちの特徴をまとめてみました。
取り巻きになってしまう人の特徴・5選
まず、取り巻きが従う”ボス”は典型的な「自己愛性パーソナリティ障害」の傾向(以下、「自己愛者」と呼称します)にあるでしょう。
<自己愛性パーソナリティ障害の主な特徴>
・やたらと尊大な態度を取る
・他人を軽視する
・共感力に乏しい
・自分の非を認めない
・思い込みが激しい
・ターゲットを決めて攻撃してくる
このような特徴を持つ自己愛者は、
自分の言動になんでも無条件で賛同し
自分を称賛し
自分にひれ伏してくれる従者
を求めていますから、取り巻き気質の持ち主とマッチングする確率は非常に高いのです。
とは言え実際にボス役の権力が強かったり人として魅力が高い・・とは限らず、ただの内弁慶タイプの自己愛者もいます。
何の権力も無いただの内弁慶であっても、それを崇め、称賛し、どこまでもくっついていくお世話係をマッチングさせれば、「ボスとその取り巻き」集団の出来上がりです。
自己愛者にいつの間にか丸め込まれ洗脳されてしまう「取り巻き」。一体どんな特徴があるのでしょうか。以下に5選挙げていきます。
自分の意見を言うのが苦手
取り巻きは自己愛者の従者のようなものですから、基本的に自己主張をしません。
自己主張をするのは全てボス、取り巻きはせいぜいそれを代弁するか、無条件で賛同(「そうよそうよ」程度ですが)してボスのご機嫌を取ります。
元々自分に自信が無く、自分の意見を言うのが苦手な性質だったと考えられます。
自分の意見を言えなくて常に他人の顔色を伺う人。
自分に自信が無くて「どうせ私(オレ)なんて‥」という思考を持つ大人しい人や卑屈な人。
どれも自己愛者の大好物です。
自己愛者は巧妙に相手をコントロールし、人の自尊心をわざと下げたり不安を煽るでしょう。
まんまとつけこまれた自己評価の低い人は、あっという間に飲み込まれてしまうのです。
(なかには計算で自分の意見を「敢えて言わない」計算高い取り巻きも存在します)
人に尽くすことが好き
誰かに喜んでもらうことで自分の存在を確認する。
誰かのお世話をすることが究極の喜びである。
他者への奉仕に価値を見い出す、よく言えば「世話好きで面倒見の良い」タイプです。
本来、この性質がうまく機能すれば集団の中で「縁の下の力持ち」として力を発揮するでしょう。
しかし運が悪ければ「自己愛者」に目を付けられます。
他人の世話をするのが大好きな人と他人からお世話されるのが大好きな人は相性抜群ですね。
目をつけられたら最後、良いようにこき使われコントロールされ、取り巻きへの道まっしぐらです。
他に友達がいない
「取り巻き」に進んでなるような人は極端に友達が少ない人が多いです。
特に同世代の、本当に対等な関係を築けるはずの友人が少ない傾向にあります。
他に友達がいないので、彼ら彼女らはいわゆる「普通の友達」がどういうものなのか知りません。
だから序列のある歪んだ関係にも疑問を抱きません。これでいいと考えています。
はたから見たら「女王様にお仕えしている付き人」のように見えるおかしな関係でも、本人たちだけは「普通の友達」だと思い込んでいるのです。
ただでさえ友達が少ないのに、自己愛者の行う「気に入らない他者の排除」にはしっかりと加担したりするので、ますます周囲の人間は離れていくでしょう。
深く考えるのが苦手
取り巻き気質の強い人は、物事を深く考えたり自主的に実行に移すのが苦手な傾向にあります。
逆にボスである自己愛者は我が強くエネルギーも異常に強いです。行動も素早い人が多いでしょう。
このため考えるのが苦手な取り巻き達は「ボス役に黙ってついていこう」と考え、ボスの強いエネルギーに巻き込まれるかのように、「黙って従う」道を選択します。
黙って人に付いていくのが一番楽だからです。
そのためボスがどんなに倫理的におかしな命令をしても、深く考えず黙って従ってしまいます。
ボスが「アイツ気に食わないから無視しよー」と言えば同じように振る舞うでしょう。
ボスが「アイツ生意気だから説教してやろー」と言えば黙ってボスの動向を見守るでしょう。
(治安の悪い中学生の話ではありません。大人になってもこのノリで動く人間が本当にいるのです。)
こうして自己愛者の大好きな「何でも無条件で賛同してくれる従者」の出来上がりです。
主体性が無い
前段の続きになりますが、考えることが苦手な取り巻きは自主的に何かをすることがほとんどありません。
試しに取り巻きAを捕まえて「あなたは本当は何をしたいのか?」と問うたとします。
帰ってくる答えは「特に何も無い」「何でもいい」「〇〇さんと同じでいい」でしょう。
彼らにとっては「自分の意志や意見を殺してでも誰かの後ろにくっついている方がラク」なのです。
どこか自分の人生を歩むことを諦めているようなところが見えます。
「誰かの取り巻きA」の位置に、むしろ甘んじていたい傾向があるようです。
まとめ~取り巻きの末路とは
蜜月は長くは続かない
取り巻きは自分の意志も時間も自由も奪われ、自己愛者に全てを捧げることになってしまいます。それが取り巻きにとって安心できる唯一の場だからです。
自己愛者=ボスは取り巻き達にもてはやされ、まつり上げられ、ますますねじ曲がった自尊心を肥大化させることになるでしょう。
彼ら彼女らは互いに依存し合い、互いに洗脳し合っているのです。
決して健全な関係とは言えませんね。
常にグループで固まって行動しているので一見社交性がありそうに見えますが、先にも書いた通り該当グループ以外の友達がいません。
筆者の観測範囲でも、そのようなグループの一人一人をよく見ると「人間関係の構築が苦手な人の集まり」のように感じました。ボス側も取り巻き側もそれぞれ他に友達が多そうには決して見えず、狭い世界で共依存に陥っているようでした。
共依存・・自分と特定の相手がお互いその関係性に過剰に依存しており、「相手から依存されること」「相手をコントロールすること」で心の平穏を保とうとすること。
そして取り巻きになってしまった人たちとは、根本的に会話が通じなくなります(筆者の体験談です)。
この人達の頭には「ボスを喜ばせること」「ボスに気を使うこと」しかないので、取り巻き自身の意思が無いのです。
「で、貴方自身はどう思うんですか?」と訊ねてもゴニョゴニョと誤魔化されてしまいます。これではまともな会話ができませんね。
ボスに取り入ろうとするあまり真実を隠したり、事実を捻じ曲げるような取り巻きもいます。
実際に話をした印象としては「ボスに不利なことは全て無意識にごまかし、嘘をつくクセがついている」ようでした。決して「ボスに命令されてやっている」のではないようです。
このように一度取り巻きのポジションに陥ってしまうと、ボスだけに妄信的に付いていき、ボス以外の他人に対しては平気で不誠実に振舞えるのです。
狭い世界にがんじがらめになってしまった人の特徴と言えるでしょう。
結局”何も無い人”になってしまう
しかし彼女らがお仕えするのは何と言っても「自己愛性パーソナリティ障害」の持ち主です。
自己愛者にとっては「他人からの気遣い」などどうでもいい些細なこと。
ボスは恐ろしく自分勝手なのです。
取り巻きの支えや献身には目もくれず、気まぐれで新たな「従者」を作ってサッサと乗り換えるかもしれません。
それどころか自分の都合で、飽きたからとある日突然コミュニティ自体をポイっと捨てることがあるかもしれません。
あとに残るのはポイっと捨てられた「元・〇〇さんの取り巻き」。
「いつも〇〇さんにくっついて一緒に居た、名前も顔もおぼろげな誰かさん」です。
周りに友達はもう誰もいません。今までボス以外の人間を雑に扱ってきたしっぺ返しでしょう。みんな離れてしまいました。
「〇〇さんと一緒にいること」以外の生きがいを今から新たに見つけるのは大変そうです。
このように、自己の存在理由を他人に全て捧げてしまった人の末路は虚しいもの。
自分自身の意志で、自分自身の人生を生きていきたいものですね。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
hirari@hirarisanpo
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