自他境界線が無い人の具体的事例3選

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人間探求

これまでの記事で「自他境界線が無い人」について扱ってきました。

自他境界の線引きが出来ない人の中には、「支配型(他者に侵入するタイプ)」と「従属型(他者の侵入を受け入れるタイプ)」の2パターンがあります。

ここではその中で、自他境界線が無い「支配型タイプ」の人が、リアルでどのように日常生活に関わってくるのか、小さなエピソードをいくつかご紹介します。

(※筆者の体験や見聞きした話も含みますが、フェイクは入れております。)

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自他境界線の無い人(支配型タイプ)の具体的事例3選

※便宜上、「自他境界線の無い困ったさん」を全員一律で「Gさん」と表現しております。

例①:自意識過剰

Gさんがドアを開けて部屋に入ってきた時、仕事仲間のBさんはちょうど自分のカバンにものをしまうところでした。

Gさんはそれに目ざとく気づき、すかさずこう言います。

Gさん
Gさん

今オレに何か隠しただろう!隠したものを見せろ!

どう考えても、偶然Gさんがドアを開けたタイミングとBさんが自分のカバンにモノを入れたタイミングが重なっただけですね。

しかしGさんは、

「自分が」部屋に来たから「自分に」やましいことがあるBは「自分に」対し何かを隠したと考えてしまいます。

自分と他人の境界線が引けないため「なんでも自分絡み」で考えてしまうところが大きな特徴です。

言い換えれば自意識過剰ともいえるこの態度。

自意識過剰の中には「自分の権威性を誇示したい欲求」と同時に、「自分に対する自信の無さからくる自意識の強さ」の2つが見てとれます。

GにはBさんを支配したい感情の反面、「Bが隠したものが自分にとって不利なものだったらどうしよう」「Bに嫌われていたらどうしよう」という不安があるのです。

例②:自分が思ったことが正解

自他境界線の無い人は「自分が思ったことを全体化」する傾向にあります。

「自分が思ったことは当然周りのみんなも同じように思っているし、自分の考えこそが正解であると思いこんでいるのです。

ネットスラング的に言えば「主語デカ」というやつですね。自分イコール全ての主語になってしまいます。

くだらない例で恐縮ですが以下、実話です。

会社での雑談中、Cさんが「私の家、近所に”し〇むら”(低価格で有名な総合衣料品店)が無いんだよね」とポロっと言ったところ、同僚のGさん

Gさん
Gさん

それ自分の家が都会だっていう自慢でしょ!

と絡まれ大声で非難されてしまいました。

とんでもない論理の飛躍で、一瞬意味が分かりませんね。Cさんも周りの人もGが怒り出した理由が分からず、唖然としてしまいました。

Gさんの思考回路を覗いてみると

近所に「し〇むら」が無いと言った都心には「し〇むら」が無いCは自分が都会に住んでる”自慢”をしたいに違いない自慢をするなんて許せない、叩いてやる

ということのようでした。

さらにGの心理の補足をすると、この出来事の少し前にCさんは引っ越しをしており(決して都心ではなかったのですが)、その引っ越し先がGさんは気に入らなかったのです。「いつか難癖を付けて叩いてやる」と思っていたのでしょう。

このように噛み砕いてみても、「近所にし〇むらが無いと言うなんて自慢だ、許せない」というGの思考はちょっと極端が過ぎ、到底同意できるものでは無いですね。

自他境界線の無い人は感情の起伏が激しく誰かのちょっとした言葉にもすぐ感情的になり否定的な反応をします。

「思い込みの激しさ」と「決めつけ」、「他者との過度の比較」「異常な負けず嫌い」、さらに”自分が”気に入らないから責め立ててやろうという「他者への攻撃性」「自分勝手」「歪んだ正義感」あらゆる負の感情が揃った状態です。

結果相手側はわけの分からない言いがかりをつけられる状況になります。

この時はどんなにCが否定しても周りがフォローしても関係無く、Gさんは最後までCさんを「家が都会だと自慢したヤツ」扱いして終わりました。自他境界線の無いGさんは他人の感情にズカズカと入り込んで、一度「これが正しい意見」と思い込むと聞く耳を持たないのです。

まさに「自分の思ったことが正解」「自分の考えこそが唯一の正義」という状態です。

例③:他人の事情などどうでもいい

Dさんは次の日曜に、仲の良い友人Eさんと一緒に遊園地に行く約束をしていました。

Dさん、Eさんと同じバイト先にGさんという先輩がいました。

ある日GさんはDさんに、

「自分は疲れてるから次の日曜のバイトのシフトを変わってほしい」と頼んできました。

しかしその日はDさんとEさんが一緒に遊園地に行く約束をしている日です。

Dさんが「次の日曜は友達と予定がある」と言ってもGさんは譲りません。「疲れてるんだから変わりなさいよ」の一点張りです。

先輩の頼みですから断りづらく、大人しいDさんは困ってその場でEさんに一応電話をかけ、予定を変更できるか聞いてみました。

突然意味不明な先輩のワガママで急な予定変更を打診され、Eさんは電話の向こうで当然怒ります。Dさんは悪くないのに、つい反射的にEさんに謝ってしまいました。

DさんがEさんに謝る様子を見ていたGさんは急にふてくされます。「D、もういいよ!」と言い放ちプイっとどこかへ行ってしまいました。

Gの心理は「自分は悪くない、怒ったEと簡単に謝るDが悪い、自分は疲れているのに理解しない奴が悪い、協力しない奴が悪い」です。

バイトを休みたいのに目論見通りにいかなかったこと、DさんがEさんに謝ったことで自分が悪者扱いされる(どう考えても悪いのはGなのですが)ことにイライラしているようでした。

怒ってしまった友達のEさんと身勝手な要求を押し付けてふてくされた先輩のGさん

板挟みになったDさんは何も悪くないのにさらに困ってしまいました。


パワハラともいえる事例です。

Gさんは先輩という立場を利用し、大人しい性格のDさんに無茶な強要をしました。

しかも「自分が疲れているからバイトのシフトを変われ」という極めて自分勝手な理由です。

・人のスケジュールを個人の都合で勝手に変えようとしたこと

・DさんとEさん2人の楽しい予定を潰そうとしたこと

・Dさんを困らせ、Eさんを怒らせてしまったこと

これらに謝りもせず悪びれもせず、Gさんは不貞腐れたまま、場を収めることもなくそこから立ち去ってしまいました。

自他の境界線が薄い人は自分の事情と他人の事情の区別がつきません。

常に「アタシ(オレ)がこうなんだからお前も同じようにしろよ(しなさいよ)」というスタンスです。

また自分の事情は強引に押し付ける割に、他人の事情はどうでもいいと軽んじる傾向があります。

この例では、GにとってはDとEが日曜日に遊園地に行くなんてどうでもいい事情です。だからDさんに無茶を言い続けたのです。

その場からプイっといなくなったGの心理は「自分の思い通りにならなかった、ムカつく、悪者扱いされるのも嫌だ、もう面倒だからこの場にいたくない」程度でしょう。

自分が他者の境界に侵入していることにも気づかず思い通りにならないとすぐに腹を立ててしまいます。

他人への共感力がおそろしく低いため、最後の最後まで自分のことしか考えられないのです。身勝手も甚だしいですね。

絡まれたらどのようにすれば良いか

これらの例のように「自他境界の極めて薄い人」は、限度を越えた無茶な要求や難癖をつけてくることがあります。

このタイプは基本的に「聞く耳を持たない」と理解しましょう。

絡まれたら、「貴方と私は違う人間で事情も生き方も違うのだから一緒にしないで欲しい」という旨を(伝えられたら)サラッと伝え、あとはピシャリと突っぱねるしかないと思います。

自他境界の薄い人は少しでも自分と違う意見を言われると「否定された!」「噛みついてきた!」と受け止め、感情的になってしまいます。

そうではなく、「私と貴方は違うだけ、否定しているのではないということが理解できればいいのですが、なかなか難しいもののようです。

私たちは医師でもカウンセラーでもないので、自他境界の薄い相手に対して「この人の歪んだ考えを修正してあげよう」「何とかしてコミュニケーションを取ろう」などと考える必要はありません。

「この人は自分と他人の区別がつかないタイプだな」ということが分かったら、ターゲットにされる前になるべく距離を取るようにしましょう。

↓困った人からターゲットにされやすいタイプに関する記事はコチラから↓

自己愛性パーソナリティ障害との関係性

「パーソナリティ障害」と呼ばれる症状の一つに「自己愛性パーソナリティ障害」というものがあります。

皆さんの職場にこのような「困った人」はいませんか?

これらは全て「自己愛性パーソナリティ障害」の特徴です。

当記事で上記の3つの例に挙げた3名にも、この傾向が見られますね。

「自他境界線の無い人(特に他者に侵入するタイプ)」と「自己愛性パーソナリティ障害」の症例は重なるところが非常に多いです。

病症とは常に一つではなく、重なり合う面もあるのです。

↓身の回りにいる困った「縁を切るべき人」に関する記事はコチラから↓

当ブログでは今後「自己愛性パーソナリティ障害」に関する記事も扱っていきます。


それでは、ここまでお読みいただきありがとうございました。

hirari@hirarisanpo

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